1981年生まれの同い年の生き方、働き方を追ったドキュメンタリー、最後の主人公は若き建築家・大村洋平くん。
大村くんは2011年に独立し、自分の建築事務所を構えています。重鎮の先生方が長く活躍し、結果的に若手の下積み期間が長くなるこの業界にあって、当時30歳という若さで独立する大村くんのような例は、そう多くはありません。
独立する以前は、仕事に没頭し寝食を忘れ働いていました。そして結婚して奥さんのお腹の中に小さな命が宿ったとき、ふと思ったそうです。
「家族の暮らしのベースとなる家をつくる仕事なのに、家族といる生活を、自分は大切にできているのだろうか?自分らしい生活を送らずして、いい家がつくれるのか?」
初めてのお子さんが誕生した年は、東日本大震災の年でもありました。色々な思いが重なって、独立をしました。
それから3年。
今、大村くんは家族を中心としたライフスタイルを送り、自分と同じような気持ちを持った同世代の人たちの家づくりに、取り組んでいます。
そして今年、また新しい家族が大村家に誕生。
「今のいちばんの関心は子どもですね。観ていると、彼らに気づかされることが多いんです。子どもにやさしい家といっても、彼らは結構、しっかり自分で判断する。だとしたら、考え想像する力を育てるような、あまり機能に特化しすぎない家の形もいいんじゃないか、と思ったりしています」
そんな大村くんが、新しい家族を迎えて、クライアントさんと一緒にどんな家づくりをしていくのか、そして自分らしい暮らしをどのように育み営んでいくのか。
建築家というと少し遠い存在のように感じていましたが、そんな「等身大」の彼にとても興味を持ち、ドキュメンタリーを撮影したい、とオファーしました。
「今の自分のライフスタイルを受け入れて、仕事と生活をリンクさせていけたら、幸せです。そしてそれを、同世代の人たちにも伝えていくような仕事にも挑戦してみたいですね」
家族とともに暮らすことで見えてきた、新しく取り組んでみたいこと。
生活中心、というと、どうしても仕事の幅が狭くなるイメージを持ってしまいがちですが、大村くんは逆に、広がっていく感覚を持っているのが、素晴らしいなと感じました。
今後、撮影の様子をレポートしていきますので、どうぞ、お楽しみに。
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